DAY4(8/31)見えてきた完走、残すは実質1日

DAY4(8/31)
見えてきた完走、残すは実質1日

猛暑は去ったものの、難易度の高いルートが続く。後半戦にフォーカスするチームジャパンが見るのは?

雨は天気予報が告げたほどの量にはならなかったが、朝一番のスペシャルテストを滑りやすいコンディションにするには充分なものだった。ルート全体をマディコンディションにすることもなく、牧草地のグラストラックも、エンデューロタイヤを履いたマシンが100台も通過する頃には、乾燥したパウダー状の土が露出し、午後には再びダストが舞うコンディションに。

それよりも大きな変化は、気温が下がったことだ。昨日のDAY3まで、35度を超える猛暑が続いていたのだが、今朝は一転、20度を大きく下回り、早朝のスタートでは袖を外したジャケットを着込んだライダーの姿も見られた。猛暑に体力を奪われていたライダーにとっては、恵みといっていい秋の気配である。


疲労と戦いながら、毎日淡々と走行後の作業を続ける。パドックはどこか静穏な空気すら感じる

涼しくなって体力的にはずいぶんラクになったと、という内山裕太郎(YAMAHA)は次のように続けた。
「それでもトレイルにはけっこう難易度が高いところがあって、明日はどうなるのか心配です。もっと荒れてくるはずだし、今日もオフィシャルに助けてもらわないと進めないライダーもいました。

テストは、今日初めて使うところが多かったので、荒れてないし、走りやすかったですね。ジャージが破れているんで”転んだの?”って言われますが、転んでないです(笑)。どこかで木にひっかけたのかな? 

バイクは調子良かったです。今日はダストも少なかったので、エアクリーナーも平気だったし。身体も大丈夫です。長いルートを走るのはあと一日ですね。まだまだ走れますよ!」


初めて使うルートは荒れが少なく走りやすい。スタートの順番はリザルトにも大きく影響する。#211内山 裕太郎

鈴木健二(YAMAHA)も「今日は転倒なし。ここに来てからグラストラックのクロステストの攻め方にずっと悩んでるんですが、コーナーにできたライン、溝(ミゾ)の走り方がだいぶわかってきましたね。もっとハンドルのポジションとかを煮詰めてけば、まだまだ上手く走れるようになると思います。かなりつかめてきたような気がするので、セッティングを色々と試しながら、もう少し走りたいですね。

身体はかなりキツイですね。前回のISDE(2007年チリ大会)が10年前で、その分年もとってますから…。かなりキテますよ!  でも明日を過ぎればファイナルクロスですね。がんばります」と、やはり昨日より清々しい表情でパルクフェルメを後にした。


昨日までよりテストが1本増えたが、攻撃的な走りを保持して日本人の中では首位の89位#210鈴木 健二

「今日も何度か転倒しちゃいました。疲れが出てきた感じです。明日は気を抜かないように、もっと集中して走りたいと思います」という前橋孝洋(KTM)、ここまで何度かタイトなタイム設定の区間もあったものの、鈴木、内山同様に、すべてオンタイムで競技をこなしている。

初めてのISDEについて「やっぱり長いです。距離も、時間も。もし次に出るとしたら、もっと走れるようになっていなければ、と思います。グラストラックも、みんなと同じラインで上手く走れるようになりたい」と、話す。

前橋をサポートする中嶋宏明メカニックは「序盤に比べると、だいふん力も抜けてきて、リラックスして実力を出せるようになってきたように思います。まだ若いんでね。緊張したり、精神的に弱い部分も見せてますが、この年齢でいい経験ができたんじゃなでしょうか」とコメントする。ISDEチームジャパンの5年計画は、これがスタート地点。将来を担うべきライダーとして、ファイナルクロスのチェッカーまで良い走りを続けてくれることを期待しよう。


疲労を重ねつつも切れのあるライディングを見せる#212前橋孝洋

チームジャパンDAY4リザルト

エースのナンボタン不調。それでもリードを拡大したフランス

約250kmのルート、スペシャルテストはほぼすべて牧草地のクロステストが5本。ワールドトロフィ争奪戦は、初日にUSA、スペインともにリタイア者を出し、さらにイタリアもジャコモ・レドンディがマシントラブルで大幅にタイムロスしたことで、フランス、オーストラリアの3カ国に絞りこまれた。

リードするのはフランス。しかしDAY4でも、フランスが大幅にリードを拡大すると予想していたのたが、クリストフ・ナンボタン(KTM)が最初のテストで転倒。後半で手を負傷してタイムロスが続いたうえ、チームメイトのクリストフ・シャルリエ(Husqvarna)も、フレッシュなグラストラックを攻めあぐね、フランスチームのリードは思ったほどにはならなかった。2位オーストラリアとの差は、5分台から7分台へと拡がっている。

オーストラリアはダニエル・ミルナー(KTM)が好タイムを連発しているものの、ダニエル・サンダース(KTM)が肩を負傷しており、タイムを大幅に落としタイヤ交換すらままならない状況。1-2位に不穏な陰、DAY5をいかにこの二人が乗り切れるかに国の威信がかかる。

一方、気を吐いたのはスペインのジョセップ・ガルシア(KTM)。USAチームもライアン・サイプス(Husqvarna)、テイラー・ロバート(KTM)がタイムを伸ばしてきたが、どちらもリタイア者を出しているためチーム成績は低迷したまま。3位につけるフィンランドはイーロ・レメス(tm)、チーム全体としてはまだまだ本来のタイムが出ていないが、フランスとオーストラリアの不調で優勝の可能性が出てきた。

ウイメンズトロフィーは、オーストラリアチームがリードを拡げ、この部門での5連覇に向けて足場を固めた。女王ライア・サンツとトップタイムを競うタイラー・ジョーンズ、そしてエンデューロ世界選手権にも参戦するジェシカ・ガーディナーは、右手指の骨折をおしてのライディング。「痛いですよ。でも、明日も走れますよ!」と肩をすくめて笑顔を見せた。

2017年のISDEもいよいよ、明日で長いルートの走行が終了する。DAY5は、今日と同じルートとテスト。テストは表面の草が剥がれ、深いラッツとギャップをいかに攻めるかの勝負となる。そこでオーストラリア、フィンランドがどこまでタイムを伸ばしてくるか、首位のフランスはいかにミス無く走りきるか。ワールドトロフィの行方はそこにかかっている。


#100スペインのジョセップ・ガルシア。チーム全員が成績を出さなくては上位になれない。これが国別対抗戦だ

DAY4現在のWorld Trophyリザルト

World Trophy

1 FRANCE
2 AUSTRALIA  +7:00.76
3 FINLAND +8:34.81
4 PORTUGAL  +20:50.12
5 GREAT BRITAIN +25:47.6

Junior World Trophy

1 FRANCE
2 ITALY  +44.73
3 USA +1:59.56
4 GREAT BRITAIN +5:02.59
5 CHILE 2:00:19.05 2+8:27.38

Women’s World Trophy

1 AUSTRALIA
2 USA +7:15.73
3 FRANCE  +18:56.16
4 SWEDEN +27:28.54
5 ITALY +37:18.51


ルート上にある「見所」とされるヒルクライム。捲れ上がる者も多数
 

Add Your Comment: