順調に回復する、前橋孝洋。初のISDEへ向けて

ぼちぼち良い方向に進んでいます

今年の1月に右膝の手術をし、治療中の身でありながらトロフィーチームへの参加を決意した前橋だったが、現在の回復状況が気になるところだ。本調子でないものの、6/18に開催された全日本エンデューロ選手権ROUND 2(富山)を目標どおり走り切った。

「怪我の原因は、今年の1月、ジャンプの着地ではねられて、右膝が抑えるときにギクって。リハビリをしながら順調に回復しています。よっぽどひどい衝撃が加わるような走り、ステアやジャンプのすごい衝撃が加わるようなことがなければ今のところは問題はなく走れています。順調にいけばISDEまでに健常な状態に戻るはずです。

あとは痛めない、悪化させない。医師からは、術後半年からレース復帰と言われてるので、ギリギリです。今の状態でもなかなかのペースでは走れていると思います。スピードがあまり出せないところですけど、今までと同じくらいのペースで走れていると思います。

今やっている練習は、衝撃が加わるのが怖いので、タイトターンが続くようなシングルトラックのようなところを走ったり、オーバル、足をつかない程度に8の字。トライアルっぽいようなラインをちゃんとトレースしていくような練習もしています。今までみたいにどんどん追い込むのはまだ怖いんですけど、内容的には似たようなことをしています。今まではもっとモトクロスコースを走っていました。手術前はMXフィールドトヨタやいなべなど、モトクロスコースが多かったですね。速いモトクロスライダーを追いかけてることが多かったです。中島さんにライディングコーチして頂いたり、釘村さん、肥後さんにも気になったことは聞いたり。基礎練みたいなことは、その頃から欠かさずやっています」

ISDE出場の決め手

「第一の決め手は仕事の都合ですね。休みが取れた。上司の理解と後押しがあったからです。仕事は金属加工業で働いています。ヤマハだけでなく、他のメーカーも扱っている会社です。休みは有給では補えないですね。手術で消化している部分もあるので。ダメ元で聞いたら「しょうがない、いいよ」って言ってくれてビックリしました。

それから金銭面のサポートが受けられたのも決め手の一つです。中西さん、と言うかJECプロモーションからサポートをして頂きました。現地での不安はありますが、フランスへは長年お世話になってきた中嶋さんも一緒に行ってくれるので、心配はあまりないのかな」

日本人はとにかく休暇を取ることが難しい。特に6日間戦わなくてはならないISDEでは、最低でも2週間程の休みを取らなくてはならず、過去に出場したライダーで「仕事を辞めて来ました」という話は珍しくないのだ。

マシンのチョイス

現在彼が出場を予定しているマシンはKTM 250EXC-F。なぜ4ストロークの選択なのか?
「2stで出る選択肢もないことはないけど、今まで乗ってきたのがYZ250Fなので、4st250で出る予定です。YZ250Fはモトクロッサーだったんですけど、マイルドな方向にしていたので、軽いYZ250FXみたいな雰囲気でした。足もふわふわにしてましたね。あんまりガツガツしていると、ウッズなどでバーン! と足を取られたり、ガンガン突き上げられたりするから嫌なんです。モトクロスのビッグジャンプ以外は良かったですけどね。

柔らかい方がガレ場とかでも走りやすい。自分はすぐに腕上がってしまうので、アクセルがラフになりがちなんです。だからフッ!っと開いてしまっても大丈夫なようなマシンにしようと思っています」とのこと。現在は、KTMに慣れるために250EXC(2ストローク)で練習、レース参戦をしている。

「2スト250のパワーが扱いきれていないっていうのもありますね。あけちゃうと4スト250に比べてパワーが出ちゃうじゃないですか。そのくらいの走りができたら、と思うんですけど、それくらい開けちゃうとおさえきれない。

KTMは非常に乗りやすいです。ただ、今までリンク付きに乗っていたので、リンクレスのサスで、どうやったら気持ちよく走れるのかが、まだわかっていない。それでセッティングに悩んだりしてます。慣れきれてないってくらいで、他は特には問題ないです。最初から気持ちよく乗れました」

自身の身体、新しいマシンと日々向き合いながらも、遠くを見据えている目線の先に次回も触れていきたい。

(続く)

Add Your Comment: