DAY1(8/28)滑川がタイムアウト、過酷すぎるフランス大会

DAY1(8/28)
滑川がタイムアウト、過酷すぎるフランス大会

厳しい6日間への回帰

ISDEは「タフでハードな6日間」に戻ろうとしている。それを目の当たりにするような思いの1日だった。アップダウンが続くシングルトラック。時にタイトなタイム設定。それに暑さと乾きが加わる。「森の中の一本道も、ダストでラインがまったく見えない。そこをいいペースで飛ばさないといけないので、とても神経を使いました(鈴木健二)」。多くのライダーが、タイムチェック毎にエアフィルターを交換する作業に追われた。前半のタイムチェックでは余裕のあった前橋、滑川だったが、後半に入ってすぐのTC4では2~3分の余裕しかなくなり、急いで給油を受け、ドリンクの補給もそこそこにタイムチェックに向かわなければならなかった。

まだ1日目だというのに、この状態では厳しいと予感させる。滑川勝之(KTM)は、後半のトレイルでコースアウトしてしまい、大きく遅れることになる。パドック手前のタイムチェックに到着した時点で39分の遅れとなっていて、現時点では、残念ながらDAY1はタイムアウトというリザルトだ。DAY2の出走はジュリーミーティングにおいても認められなかった。チームジャパンのリザルトは、現在、ワールドトロフィチーム19ヶ国中、18位に沈んでいる。

メンバー中、ただ一人、ISDE初参加となる前橋孝洋(KTM)は、夕方のワークタイムでも笑顔を見せるほどの余裕を取り戻してはいたが、2度の大きな転倒もあり、実際には余裕たっぷりとは言えない。が、走りにはマージンも残しているのでDAY2から安定してくることを期待したい。


内山裕太郎(YAMAHA)は、スペシャルテストでの走りもスムーズで、どのタイムチェックも余裕を残して到着。まさに今年で7回目という経験を感じさせる試合運びだ。夕方のワークタイムでは、高温で膨張してしまったムースの脱着に少し手間取るシーンもあったが、それでも全体としては確実に6日間を戦える余裕を見せた。「エンデューロに出会ってたらずっとISDEを目標にしてきた」という生粋のエンデューロライダーだ。

チームジャパンDAY1 リザルト

JAPAN:18位/19ヵ国

チーム成績としては滑川のフルペナルティによって大きく沈んでいるが、6日間はまだスタートしたばかり。個人リザルト、そしてメダルの色もかけて、最後まで全力の戦いが続けられる。

地元フランスが圧倒的なスピード!

ワールドトロフィ争奪戦は、初日から激戦、そして波乱含みの展開だ。まずUSAチームのサド・デュバルが、最初のテストで手首を負傷してリタイア。それによって大きく順位を落としてしまった。他方、強烈な速さを示したのは、地元フランスだ。特に牧草地のテストでのスピードは群を抜いた。

オーバーオールリザルトも、1位がロイック・ラリュー(YAMAHA)、2位クリストフ・ナンボタン(KTM)とフランス勢が並んでいる(※正式結果では、ラリューに1分の遅着が加わり、ナンボタンが1位に)。その走りは「流麗」と表現したくなるほどだ。ワールドトロフィ2位はフィンランド、そして意外にタイムが伸びていない印象のオーストラリアが現在3位だ。

2月にアメリカのハードエンデューロイベントでクラッシュ。背骨と内臓にダメージを負い、ライダーとしての復帰すら危ぶまれていた、USAのテイラー・ロバートが3位と、復調ぶりを見せたことは、ファンを喜ばせているが、前述したようにUSAはデュバルをすでに欠き、トロフィ連覇は夢と消えた。

さて、もうひとつの主役、ウイメンズトロフィは、スペインがリードした。ライア・サンツがダントツのタイムで1日を仕上げてチーム成績を牽引した。2位はオーストラリア。このタイム差はまだ大きくはないので、この後も白熱した戦いとなるのは必至だ。

悔し気な表情を見せる鈴木、ゴールドメダルへの現実

日本人はグラストラック(牧草地)を走る環境にないため、日本人全てのライダーがこのグラストラックに苦労している。

チームジャパンを率いる鈴木健二も、今日のテストトラックについて「どうやって走ったら良いかわからなかった」と言う。「グラスの滑り方や、ハイスピードで全開で入ってきた時の止まり方がわからない。滑りと流れが速いから、コントロールが出来ない。ハイスピードで、下ったら全部逆バンク。日本では絶対ない状況ですよ」思い通りに走れなかった悔しさをにじませる。しかし、走っているうちにタイムは良くなるだろうと鈴木は言う。トラックを走るごとに徐々に慣れ、最後のトラックで一番良い走りが出来たとのことだ。ゴールドメダルを狙うことに関して「今日のままだとゴールドは厳しい。ほんとにトップの方がつぶれて順位が下がった時に、自分がポッと入れたらラッキーなくらい」と言葉を曇らせた。

ゴールドメダル圏内には、鈴木はいない。DAY1の時点では、43分3秒のタイムを、3分以上縮める必要がある。悲願のゴールドメダルを達成するには、DAY2以降何らかの飛躍が必要だ。

チームジャパン、戦いは始まったばかり

明日、DAY2は今日と同じルート、テストでの競技だ。

鈴木健二
「明日はもっと路面も荒れてきますから、さらにきつい1日になると思いますよ。今日も、ワダチの中に石や木の根がたくさん隠れていて、いきなり弾かれたりして、まったく油断できなかった。予想通りでもあるけど、予想以上にタフな感じでもあります。でも自分自身では、攻めた走りはできたと思っています。全力で行きますよ!」

内山裕太郎
「今日のルートに限っては、今までのISDEの中で一番楽だった」余裕の表情を見せる内山裕太郎だが、グラストラックでは難しさを感じている。路面が乾ききっているため「グラスの上を滑っていく感じ。広くてラインが選べるところは良いが、掘れていると轍のレールに入れるしか無い。そのレールを走るのが難しい」

前橋 孝洋
初めてのISDE、初日を走った前橋は、消沈気味な表情を見せる。「オンタイムで周れたのは良かったです。でも、2回も大きなクラッシュをしてしまった。1回目はバイクが思った通りに挙動しなくて、2回目は埃で見えなくて、ヤバイって思ったときには・・・。」各タイムチェックにはおよそ2、3分の余裕を残している状態ではあったが、1回でも大きなミスをしたら遅着してしまう状態で、余裕はあまり無かったと言う。「ただ、スタート順が前の方だったんで、いろんなトップライダーと走れたのは良かったです」

滑川 勝之
タイムオーバーの原因はルート上での崖落ち。DAY2からの走行は認められず、サポートに回る。「ワールドトロフィーの人たちをよけながら走っていたんですが、リエゾンが狭いんです。落ちたらすぐリタイヤするほどの崖がサイドに広がっていた。山側によければいいんですけど、山側によけられなかったんです。谷側で待っていたパコーン! ってハンドルがあたって。その瞬間にアクセルが開いたんですよね。それで落ちてしまいました」

 

 

 

1日を走り終え15分間の中でマシンの整備を行う。マシンに触れられるのはライダー本人のみ

 

明日の走行に備え、タイヤ交換を行う#211内山 裕太郎

 

グラストラックを攻める#211 鈴木 健二

 

#212 前橋 孝洋

 

#211 内山 裕太郎

 

乾ききったグラスとダストがライダーの体力を奪う #213 滑川 勝之

 

 

 

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